2010年11月アーカイブ

今年の九州場所もご当地の魁皇関の健闘で盛り上がったもののやはり白鵬関の優勝で幕を閉じました。今場所はあの双葉山関の不滅の69連勝の更新の期待がかかった場所でしたが白鵬関は2日目にしてあっけなく敗れ連勝は63で止まってしまいました。ですが、ここからが彼の素晴らしいところだったと思います。あの双葉山関でさえ連勝が止まった後、気持ちの整理がつかずそのあと2連敗を喫したのに対して白鵬関は連勝が止まった翌日から新たに13連勝しました。彼は双葉山関が3年以上かけて作った連勝記録を1年足らずで更新していいものかずっと悩んでいたようですが、もうそんなことで悩む必要はありません。途切れた気持ちを立て直して優勝した白鵬関の精神力は双葉山関をもしのぐものと感じます。是非とも来年の初場所初日からの57連勝、記録更新を目指してほしいものです。白鵬関の記録更新を喜ぶ日本人はいても、それをくさす恥ずべき日本人はいないはずです。国籍は異なるのに誰よりも日本人らしい白鵬関の美しい相撲、立ち居振る舞いは何となく王選手(監督)に通じるものがあります。そして彼らの精神力から私たちは多くを学べる様に思うのですが・・。まさしく'我ら未だ木鶏足りえず' です。 呑むさん

P.S. ちなみに思い出の一番は、初代貴乃花関と富士桜関の時間前の立会いです。一番ではなく何番かあったと思いますが、お互いの気合が乗ってきて、息があった瞬間に立つという相撲の醍醐味は素晴らしかったです。最近はほとんどなくなってしまいましたね。

Jazz雑感続き。JazzとBaseballとハンバーガーはアメリカの生んだ数少ない文化だと感じます。ファーストフードとしてのハンバーガーは、グローバル化、米国帝国主義の尖峰というイメージもありますが、小麦粉からバンズ作りをはじめて、牛もも肉のブロックを包丁でミンスして手ごねのハンバーグを焼いてという過程をすべて手作りでやると半日は楽しめます。たぶん家庭料理としてのハンバーガーは本当はスローフードなのでしょうけれど、それでは商売にならないのでレイ・クロックが今のような形態に変身させてしまいました。20年以上前、初めてNew Yorkを訪れた時に行った今はなきSweet BasilというJazzクラブで、向かいの席の人が注文したハンバーガーはハンバーグの厚さはゆうに5cmを超え(ているように見え)熱々の鉄皿の上に載ってそれはそれは美味しそうでした。あいにく食事を済ませて出かけていたのでその時は味わえませんでしたが、それから6年程たって、今度は4歳の娘と2歳の息子を連れて同じクラブのサンデー・ブランチに出かける機会がありました。そのサンデー・ブランチの人気者はドク・チータムという当時90歳を超えたラッパ吹きで、ニューオリンズ出身、かのサッチモとも一緒にやっていたという人でした。その年齢から足元もおぼつかずはたして大丈夫なのかなという感じでしたが、椅子にすわって天を見上げるようにラッパを吹いて、温かい音色と優しい歌声がとても素敵なじいさんでした。そしてニコッと子供たちに手を振って笑いかけてくれたチャーミングな笑顔は私たち家族をとても幸せな気持ちにさせてくれました。その5-6年後、96-7歳で亡くなられたと日本の新聞でも報じられていましたが・・、あー、やっぱりJazzっていいなあ、あんな爺さんになりたいなあ。 ノムさん  ドク爺さんのおすすめのCDは1997年録音の'ドク&ニック''です。

Jazz雑感-1。先日、久しぶりにJazzのコンサートに行ってきました。昨今は電子的に作られた音が多くなっていますので、やっぱり人が息を吹き込んだり、その指で叩いたりして生み出す生の音は最高です。Jazzは概ねアンサンブルとソロによるインプロビゼーションから成り立っていますが、Jazzを聞く楽しみは、ミュージシャン同士の会話(言葉ではなく、音のあるいは音と音の間、いわゆるcall & response)を聞くことと、ソロの音色とフレーズからそのミュージシャンの人柄を想像することではないかなと思います。彼らはステージ上で時に挑発しあったり、あるいは優しく寄り添ったりしながら音楽の中で会話を楽しんでいます。ですから、それを聞くことによってaudienceもその会話に参加することができます。ソロの音色とフレーズからは、このプレーヤーはかなり助平な奴やななどといろいろと想像して楽しむことができます。

米国に留学していた時に、恩師が一度訪ねてきてくれました。その日の夜Jazzを聞きに行こうということになり、よく通っていたZanzibar Blueという大学そばのクラブがあいにく閉まっていたので、行ったこともない町の北のはずれ、場末と言っていいようなクラブに出かけました。そこでは、地元のミュージシャンたちがジャムセッションをやっていて、以前その街に住んでいた恩師は彼らにいろいろと話しかけていました。一人のやや年配の男が'俺は昔ジョージ・ベンソン(有名なギタリスト)と一緒にやっていた'と後ろの壁の写真を指差して言ったときです。恩師はおもむろに立ち上がって、その写真の前に座っていた若い男につかつかと歩み寄り、'Oh, Nice to meet you, Mr. George Benson!'と握手を求めました。その若い男は、一瞬きょとんとして、やおらその誤りに気づき、写真を指差して'No, no, ベンソンはこっちだ'と恩師に教えました。言い返された恩師の方が、今度はきょとーんとして'ふむっ'と云ったきり元の席に戻られました。もう15年以上も前の話ですが、お互いにきょとんとしあった黒人の若者とわが師のあの表情は未だ自分の中では色あせることのない大切な思い出になっています。いやぁ、Jazzって本当に素晴らしいですね。ノムさん