2012年2月アーカイブ

師曰く「一番ええ時にやめさせてもろうたわ」。師曰く「今時医者になってもなあ」。この二言絶句が、過去半世紀の医療を取り巻く環境をすべて言い表しているように感じる。さすが、わが師・・・?不景気であるがゆえか、大学入試での医学部人気は天井知らずのようであるが、それなりの覚悟を要することを知ってのことかという思いも交錯する。医療を成長産業と位置付ける馬鹿な政府の見解を鵜呑みにしてはならない。以前にも書いたが、製薬メーカー主導のガイドライン策定しかり、成長するのは医療周辺産業であって、医療者そのものではない。むしろ啄木ではないか?「働けど働けど、わが暮らし楽にならず」。

bone Gla proteinと云って、それがオステオカルシンであり、その生成にビタミンKが重要でありグラケーという製剤のGlaとKの由来となっている事を知る医師はかなり減っていると思う。再生医療における骨形成マーカーとして、オステオカルシンを利用している医師も現在ではあまりその製剤には重きを置かない。そしてまた、メーカーもその広告に力を入れない。医療の進歩とは、所詮その程度なのである。昨今では、骨粗鬆症患者に対して使用している薬剤によって、血清・尿中マーカーも個々に選択すべきであるとか、これを進歩と呼んでよいかどうかはなはだ疑問である・・・。

新しい製剤を採用する立場になった時、注意すべきは「新しかろう、されば良かろう」とすぐに飛びつく事を戒めるという姿勢であると思う。その製剤が、本当に10年後も生き残れるか、そういった視点を欠けば、すべては医療周辺産業の言いなりとなってしまうことを我々医療者は肝に銘じるべきである。

それにしても昨日のOmar Hakimのドラミングは素晴らしかった。他のミュージシャンをずっと支えながら、時には煽り、時には励まし、Jazzを聞く楽しみは、ステージの上のミュージシャン同志の無言の会話を聞くことであることを再認識させてくれた素晴らしい夜でした。Jazzと絵画、Baseball, OperaとMusicalはやはり生で見なけりゃだめですね。愚呑坊

 

 

和歌山_6

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骨格標本1.JPG和歌山研修は9週目に突入。

これは整形外科1診にある骨格晒し骨標本です。きれいです。こうしておくと風化(?)しませんが、それぞれのパーツを説明するには難があり、飾りに近くなります。わが奈良医大の標本は年月とともにかなりばらばらになってきました(前の病棟の頃と比べると大違い)。今でも慣れていないアプローチでは標本をあちこちから眺めて、予習をします。せめてaxial skeletonはずっとそのまま残ってくれますようにと祈っています。(四肢の骨は手にとって説明するのがベターであり、そういう方向で母体から離れていくのでしょうか)

Spine Surgeon SLIM.

和歌山_5

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日曜は鴻池道場(奈良市)で剣道の昇段審査の救護でした。小学生や中学、高校生はまったく問題ないけど、一般の受審者は中高年が混じるのでちょっと心配。この冷え込みの中、ろくにアップできず、しかも審査員の前で緊張の極致でしょう。無事今回もけが人はなしでした。人ごとではなく自分も受ける可能性ありだから余計心配...

 帰途の車中でホイットニーの訃報をききました。正確なことはわかりませんが、薬物が原因あるいは遠因でしょう。何年か前に雑誌かラジオで復帰の頃だったのか、ほかのドラッグで不幸な転帰をとったアーティストを例にあげながら、そうならないように祈りますというような感じでいっていましたが、結局同じ道をたどりました。残念。

Spine Murgeon SLIM.

ハワイイ断章-3. 何故かの島々が、人々を引きつけてやまないのか。ポリネシア人に始まり、キャプテン・クックが命を落とし、アジアの人々も続々と入島し、多様な文化が形成されるほどまでに多くの人が引き付けられるのは、何故だろう?楽園という単純な言葉では、説明できない何かがあると思われるが、それが何なのかはっきりしない。確かに似たような土地は他にもあるが、セイシェルやニューカレドニアを訪れた時も自分にはハワイイほどには今一つしっくりこなかった。地政学的なものなのか、気候によるものなのか、occupyされる過程に何か違いがあるのかしら、いやいやpoki という食べ物にあるのか、はてまたフラとウクレレにあるのか、これからゆっくり考えよう。

 昨今、Brain Machine Interface (BMI)の研究が熱い。簡単に言うと、脳で考えるだけで、機械を動かすことができる技術のことで、例えば我々の領域でいえば、義手や義足を頭で考えた通りに動かすことができるようになる技術のことである。神経科学、脳科学は21世紀医学のLast Frontier であり、BMIには医学、工学などの粋を集める必要があるので、実用化までまだまだ道のりは長いと思われるが、再生医療と並ぶ大きな医療技術になっていく可能性を秘めているかもしれないと思って、少しその動向を追いかけていきたいと思う。 

いったい人類はどこまで行こうとしているのか?今度は、月の所属はいずこの国に?ということだそうだ。なんでも、月に存在する鉱物資源の帰属をめぐる争いになるらしい(主に米中の・・・)。そこまでして、我々人類が生き残ることをこの大宇宙は欲しているのだろうか???

流しっぱなしにしているFMラジオから、32年前のJohnの時と同じようにWhitneyの訃報が流れてきました。個人的には、Greatest love of allが彼女のベストだと思いますhttp://www.youtube.com/watch?v=sKYIj9U8NzQ。「私は信じる、子供たちは私たちの未来。彼らに笑顔を・・」と歌い上げる彼女の笑顔に涙がこぼれます。この曲は、「イマジン」や「明日に架ける橋」と並ぶ20世紀のポピュラーソングの名曲だと思います。ご冥福をお祈りします。愚呑坊

和歌山_4

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紀州藩あずかりの身ではありますが週末でもあり、奈良に戻って今日は近畿小児整形外科懇話会に参加。脊椎の症例報告に間に合いました。Early onset scoliosisの治療に関してはまだまだ手探りで、症例ごとの対応が要求されます。私も大学にいなければ、自分で関わることなど考えもしなかったかもしれません。専門に症例をたくさん重ねている神戸医療センターの先生と少し話しができてラッキーでした。

前回も報告されていましたが、今回も被虐待児症候群に関する発表がありました。それと気づくことが大切ですが、虐待の有無を問い詰めるのはわれわれの領域を超えています。今回のように、child abuseが疑われても、実際には別の器質的疾患であった場合は鑑別の過程できわめて注意深い対応を要求されます。児童相談所や医療サイドから疑いの目で見られることも、器質的疾患であると診断がつくこと自体も親御さんには想像を絶する衝撃となるでしょう。しかし一方でchild abuseは我が国でも頻繁にメディアを通じて報告されます。レベルは違いますが腰部脊柱管狭窄症にASOが合併しているかどうか、もっとminorなところではL5神経根障害が脊柱管内だけか外でも圧迫があるのか、といった鑑別と同じで、狭い見方に陥らないことが大切であると思います。

次は第50回で記念講演や懇親パーティなどもあるようです。小さな研究会ですが、ぜひみなさんの参加をお待ちしています。

Spine surgeon Mu.