2012年6月アーカイブ

和歌山_α1

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13日に開会したISSCRが昨日終了した。今回は、10th anniversaryということで、急遽(当初のプログラムにはなかった)ceremonyが金曜日の午後に行われた。山中先生が次期会長ということもあってか、なんと天皇、皇后両陛下がご臨席されてのものになった。日本人たる者、ぜひまじかでと学会のお偉方のreserved seatの真後ろに陣取って参会した。現学会長のGage先生に比べると山中先生の緊張ぶりは半端でなかったように見受けられた。

ところで、学会そのものは、全世界が大きく期待する再生医療の先端を担う研究分野であるためであろうか、おそらく生命科学分野では最先端をいく内容を聴講することができたように思う。若い先生方のpresentationも多かったが、多くはPhDで、すべてがもはや一臨床医が日々のpracticeの合間を縫ってできる基礎研究という代物ではなく、壇上で発表されるすべての先生が天才にみえるような感じがした。実際、彼らのスライドで引用されている自著論文のすべてがNatureやCellなどで、こういった基礎医学生物学分野でのMDの存在価値は、これからどんどん縮んで行くのだろうかと少し抑うつ的になるぐらい凄まじい衝撃を受けた。AACRでもこれほどの経験はなく、経済格差と同じようなことが、基礎医学研究の分野でも起こりつつあるような、自分にとってはこれまで参加した学会で最も大きな衝撃といっても言いぐらいであった。山中先生ももとはといえばMDではないかとはいうものの、時代に取り残されないように臨床の合間を縫ってどうやって彼らに太刀打ちできる研究ができるのだろうかと、この己という幹細胞のnicheを探していかねばならないように感じ、知的刺激を受けつつも、少し落ち込んだ5日間だった。愚呑坊

日本再生医療学会(JSRM)と国際幹細胞学会(ISSCR)を掛け持ちして、横浜に長期滞在中です。いずれも最先端の学会で学ぶことが多すぎて、久しぶりに現実を忘れることができる。自分にとっては久しぶりの息抜き?のように感じるのは、逆に日頃勉強不足な証拠かとも思う。再生医療学会では、シート工学からその重層化と血管誘導など複合組織への展開も眼を引いたが、今回初めてシンポに取り上げられた体内誘導型再生医療が自分の思うところと近しいように感じて楽しめた。難しい面も多いが、細胞移植を必要としないでの今後の発展が望まれる。

アジアで初めて開催される今日が初日のISSCRは、プレナリーセッションIの高橋先生(iPSの立役者のもう一人)、の講演がとても楽しめた。そして同IIの最後のNBC記者のtalkは、彼自身の遺伝的背景をもとにしたもので、拍手が鳴りやまぬほど感動的だった。米国的な演出ともいえるが、詳細を差し控えてかいつまんで述べると、彼の父と弟がある遺伝性の神経難病にさいなまれ、彼自身もその遺伝子異常の保持者であるというもので、この学会に出席している研究者が力を合わせれば自分の世代はもう無理でも次の世代ではきっと克服されているはずだという内容で、我々医師、研究者を鼓舞してやまないように感じた。それがきっとaudienceの心を捉えたのだろう、時間も遅くなり、その講演の前に席を立ちかけて思いとどまったことの幸運をきっと多くの人が噛み締めていたのではと、会場を後にしてreceptionの会場に向かったように思う。たとえ、そこでほとんどワインも食事もemptyという現実を目の当たりにしたとしても。 もう少しワインを置いといて欲しかったな・・・。 愚呑坊