呑むさん酩酊-68

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過日、第12回日本抗加齢医学会に初めて参加した。近年、多くの大学で加齢制御医学といった講座もできつつあるが、抗加齢というとまだまだ美白だのしわ取りだの、あるいはサプリメント医学などとなんだかいかがわしいイメージが付きまとう印象があるように思う。なのに何ゆえ抗加齢学会などに?かというと、ずっと癌の勉強をしてきて、抗加齢医学を少しかじってみると、どうも細胞・分子レベルでは、がん細胞は抗加齢に必要なたいていのことをやっているのではないかと思えてきたからである。多くの臓器で老化が癌化に関与するとしても、いったん癌化した細胞は老化を知らず増殖し続ける、これこそまさに抗加齢ではないかと感じる。もう一つは、体性幹細胞の老化を防ぐことができれば、多くの疾患の予防にもつながるように感じたからである。(残念ながら、まだまだ勉強不足で理解者はごく少数にとどまりますが・・・。)

我々が日々の診療で数多く扱う骨粗鬆症、関節症、脊椎症、サルコぺニアなどは、すべて加齢に関連するものである。今回の学会でも、いくつかこれらに関連したシンポジウムも組まれていて、scientificにも堪能することができたが、残念ながら予防医学的な(昨今は先制医学とも・・)分野ゆえ、整形外科医の加齢医学に対する意識はとても低い。surgeonとしてのidentityがそうさせるのはしごく当然のことである。ただ、大きく運動器学としてわれわれの分野を捉えると、こういったアプローチも今後必要になるのではないかと思われる。治療薬が百花繚乱の骨粗鬆症などは予防ができれば、やりたい放題の多くの製薬会社をぎゃふんと言わせることができるし、国家的医療費の削減にもつながる。整形外科医も、もう少し抗加齢医学会での存在感が大きくなっていいと思われた3日間だった。蛇足ながら、最優秀演題という場違いな賞を頂き、さらにパシフィコ横浜を1周する早朝マラソンにも参加して大いに学会を楽しむことができました。 愚呑坊

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